韓国ドラマ「愛の不時着」もう一度見返したらスゴかったシリーズ〜第7話編〜です。
今回は、ドラマのこと以外に、少し脱線してヒョンビンの軍隊の話しも盛り込みました。リ・ジョンヒョクと海兵隊のヒョンビン、 どちらも誠実かつストイックで、イメージがかぶります・・
それでは、今回もネタバレ全開で振り返りスタートです。6話はこちらから
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「愛の不時着」7話感想|全話知っているから(知らなくても)感動できるシーン2つと、ヒョンビンの軍隊の話し
究極のセリズチョイス
空港へは向かわず、銃で撃たれたジョンヒョクとクァンボムを乗せて、病院に急行するセリ。
病院に到着後、クァンボムから「急げばまだ間に合います」と、空港へ行くよう促されるが、ヨーロッパ行きを放棄して、ジョンヒョクのために供血することを選びました。
セリといえば、常に正しい道を選択してきた敏腕経営者(feat.2話)。(ジョンヒョクの言うことを聞かず、分かれ道を左へ進んだ以外は・・・)
しかも、売り上げを伸ばすためなら、自分のスキャンダルさえも、最大限利用してきた人です(feat.1話)。利益を得るには、何を選択すればいいか、よくよく心得ているはず。
そんな彼女が、韓国に戻るチャンスを投げ打ちました。「私にとって人生で一番大事な日」と訴えていた株主総会が控えているのに。
家族の中で「よそ者」扱いされ続け、一度は姿を消す覚悟までしたセリ。そんな彼女にとって、正式に「父の後継者」として選ばれる株主総会は、ことのほか大きな意味を持っていたはずです。
しかし、それもこれもすべて保留にして、ジョンヒョクの命を選択。
セリのセリフが印象的でした。
私も一度くらいは、あなたを守ってあげたかった
かっこいいですね。「もらう」ばかりじゃなく、「与える」ことも知っている人って本当に素敵。
ところで・・・、
もし、あのままセリが北朝鮮を去っていたら、ジョンヒョクの気持ちを知ることは永遠になく、
さらには、セリが「もう一度聴きたい」と願い続けてきたピアノ曲を聴くことも、あの奏者が誰だったのか知ることもありませんでした。
もっといえば、ジョンヒョクの兄の死も解明されず、毎年セリの誕生日に「生まれてきてくれてありがとう」と、ジョンヒョクが思ってくれることもなかったはず。
他者に全力で何かを与えることは、望む以上のものを手に入れることでもあるのですね。
今回のセリの選択は、究極かつ見事な「セリズ・チョイス」でした。
ジョンヒョクも間違ってなかったけど、セリが正解だった「ク・スンジュン」
パスポート写真を撮りに平壌へ行った時のこと、ジョンヒョクとセリは、エレベーターの中で、こんな会話をしていました(feat.6話)。
ジョンヒョク:本当に一人で大丈夫?
セリ:大丈夫よ、知ってる人だし、そんなに悪い人でもないから
ジョンヒョク:「石橋は叩いて渡れ」。油断するなという意味だ。知り合いが実は一番危ない
二人の会話の主人公はこの人、ク・スンジュン。セリの次兄セヒョンから100億をかすめとった人です。
セヒョンと取引したスンジュンは、セリを北朝鮮に留めるために「家族は帰還を急ぐなと言っている」「株主総監も延期らしい」と、彼女にウソのオンパレード。
ジョンヒョクの言う通り、警戒すべき人物です。
しかし、その一方で、
チョ・チョルガンの雇ったトラック部隊がセリを襲ったと聞くと、「ケガでもしたらどうすんだ!」と、声を荒げて、彼女を心配していました。
セリの言う通り、そんなに悪い人でもなさそうです。
この時点ではまだ、悪と善を行ったり来たりしているスンジュン。
そんな彼が、7話で「正論中の正論」を言いました。
一緒にいたら、君だけじゃなくて、彼にとっても危険じゃ?
君は去ればいいけど、彼はどうなる
ここで暮らすしかない人に、迷惑をかけるな
ジョンヒョクからセリを引き離すために放った言葉ですが、何も間違ったことは言っていない。
このスンジュンの言葉で思い出されるのが、平壌行きの列車でのジョンヒョクとセリの会話です(feat.5話)。
「私がヨーロッパで行方不明になったら、あなたに迷惑がかかったりしない?」
そう心配するセリに、ジョンヒョクは「大丈夫だ」と一言。
しかし本当は、「何かあった時は、僕が責任を取ります」と、父と約束していました。
危険も責任も後始末も、すべて一人で背負おうとしているジョンヒョク。彼の覚悟を、結果的には、ク・スンジュンがセリに知らせることになりました。
二人を引き離すための言葉が、愛を深める役割を果たすとは・・・。
ともあれ、この先のスンジュンの行いすべてをとってしても、「そんなに悪い人ではない」という、セリの見立ては大正解でした。
ヒョンビン演じるジョンヒョクのセリフがリアルすぎる
病室で「床が冷たいから寒いだろ」と、セリに自分のベッドで寝るよう、すすめるジョンヒョク。てっきり同じベッドを使うのかと思いきや、自分が寒い場所で寝ると言い出し、少し得意げな様子で、こう言います。
冬の訓練では地面を掘って寝てたよ
このセリフ、ほかに俳優さんが言ったなら、なんてことなく聞き流したと思うのですが、ヒョンビン(演じるリ・ジョンヒョク)が口にすると、なんだかとってもリアルです。
というのも、よく知られている通り、ヒョンビンは海兵隊にて兵役義務を果たしました。海兵隊といえば、韓国の軍隊の中で、最も訓練が過酷な組織。
当時、ヒョンビンが訓練している様子が、ドキュメンタリー番組で流されたのですが、それはもう凄まじかったです。
泥の中をほふく前進したり、大きな荷物を担いで険しい山道を歩いたり。リ・ジョンヒョクじゃないけど、冷たい地面にシュラフを敷いて野外就寝したり・・・。
なお、入隊時、ヒョンビンは韓国の年齢(数え年)で30歳。訓練団の中では最年長でした。ドキュメンタリーでは、20代前半の隊員が
「いい兄貴という感じで、よく面倒をみてくれます。年が上だけあって、みんなの精神的支えになっています」と、ヒョンビンについて語っていました。なんとなくジョンヒョクと4人の隊員の関係を彷彿とさせますね。
また、ヒョンビンのインタビューも印象的でした。
自分の体力的、精神的限界を知りたくて、海兵隊に志願しました。
ドラマや映画に出演しながら送った20代は、自分のことよりも、作品について考える時間の方がずっと長かったように思います。
だから、30代を送る前に、一度、きちんと自分と向き合いたかった。これからの1年9ヶ月がその時間です。
自分に対しても、演技をすることに対しても、誠実でストイックですね。
あれから約10年、その誠実さはさらに進化して、今やヒョンビンの演技に「空気感」として現れているような気がします。ヒョンビン演じる「リ・ジョンヒョク」に、深い魅力があるのは、その辺が理由かもしれません。
と、ドラマ本線から脱線してしまいましたが、今回は以上です。
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