韓国映画

アカデミー賞4冠に輝いた韓国映画「パラサイト」と財閥の話し  

パラサイト半地下の家族 

アカデミー賞の中継を見ていた多くの人が、「パラサイト」の4冠達成に
びっくり仰天したと同時に、こんな風に思ったはず。

感激の受賞スピーチしてるこの派手なおばちゃん一体ダレ?と。

映画「パラサイト」のプロデューサー、イ・ミギョンさん。
海外ではMiky Lee(ミキー・リー)を名乗っています。

何とこの方、
世界がまだ韓国文化に見向きもしていなかった1995年に、

世界中の人が、
毎年、韓国映画を2,3本見て、
毎月、1,2回は韓国料理を食べて
毎週、1,2本の韓国ドラマを視聴して、
毎日、K-POPを聞くような、
そんな素晴らしい韓国文化を創造する

と、声高に宣言したのです。

それから25年、今では、そんな人が世界中にゴロゴロ・・・

スゴイ人です。

 

ミキー・リー氏って一体何者? サムスン令嬢?

ミキー・リー氏のお祖父さんは、韓国最大の財閥サムスングループ創業者イ・ビョンチョル氏

しかし、お祖父さんは、ミキー・リーの父(イ・ビョンチョル氏の長男)を勘当し、サムスンの後継者から外しています。

ともあれ、元サムスン一族であったことから、ミキー・リー氏の弟イ・ジェヒョン氏が、お祖父さんが他界した90年代半ばに、サムスングループが所有する「第一製糖」という小さな食品会社を相続しました。

イ・ジェヒョン氏が代表になった「第一製糖」は、サムスンから完全独立し、「CJグループ」に。

そして、姉のミキー・リー氏と弟のイ・ジェヒョン氏は、あの名言を掲げ、韓国文化コンテンツ制作に乗り出すのです。

せっかくなので、もう1回アップしておきます。

世界中の人が、
毎年、韓国映画を2,3本見て、
毎月、1,2回は韓国料理を食べて
毎週、1,2本の韓国ドラマを視聴して、
毎日、K-POPを聞くような、
そんな素晴らしい韓国文化を創造する

しかし壮大な夢はそう簡単には叶いませんでした。

 

財閥だから資金潤沢でしょって? いいえ、20年間赤字続きでした

CJは、1995年に映画製作着手

それと同時に、前年ハリウッドで産声をあげたアメリカの映画製作会社「ドリームワークス」に3億ドルを投資しました

サムスンから完全独立したとはいえ、もともと系列会社。資金は豊富でしょ?と思われるかもしれないが、3億ドルは、当時のCJグループの年間売上の約20パーセント

社運をかけた、前代未聞の投資だったのです。

CJは、この投資で、日本以外のアジアにおけるドリームワークスの頒布権と、
韓国の映画人がドリームワークスで研修できる権利を獲得します。

そして、これまでに約300本の映画を製作しました。とはいえ、2014年まで約20年間、赤字だったのです。

それでも、諦めずに映画製作を続けてきたからこそ、映画「パラサイト」が誕生したのです。

 

90年代からKPOPににも力を注いできたCJ

97年には、音楽情報専門チャンネル「Mnet」を開局します。

Mnetといえば、人気番組「PRODUCE 101」をはじめ、

TWICEを誕生させた「SIXTEEN」、iKONを誕生させた「MIX&MATCH」、WINNERを誕生させた「WIN」、その古くは、BIGBANGが誕生する瞬間までをも番組に収めてきたテレビ局です。

香港や日本で開催されるアジアきってのミュージックアドードMAMA(Mnet Asian Music Awards)も有名ですよね。

 

こんなに韓国文化を盛り上げてるのに、脅迫電話が!その相手とは?

数々の素晴らしい映画、音楽番組、ドラマなどを製作してきたCJ。
しかし、中には政権批判とも受け取れる内容が含まれる作品も多く輩出しています。

例えば、

イ・ビョンホンが主演をつとめた「王になった男」
王の影武者として生きることになった男が民のために立ち上がる物語

 

ソン・ガンホが主演をつとめた「弁護人」
国家に捏造された冤罪事件に立ち向かった実在する弁護士を描いた物語

など。

これにより、時の権力者(とあえて言います)である朴槿恵に目をつけられてしまい、当時のCJ副社長にもとに大統領官邸からこんな電話が入ります


「政治色のないコンテンツを制作しなければ、圧力をかけますよ。
イ・ミギョン(ミキー・リー)の退陣は、VIP(朴槿恵)の意向です

怖っ

この通話の録音記録は、朴槿恵が弾劾されたあと、世間に公開されることになりました。

また、朴槿恵の政権では、政権に批判的は発言をした文化人、芸能人の「ブラックリスト」が作成されていたことも、のちに明らかに

ブラックリストには、ポン・ジュノ監督の名前や、
上記の映画に出演していたソン・ガンホイ・ビョンホンを始め、
映画「私の頭の中の消しゴム」に出演していたチョン・ウソン
ドラマ「シークレットガーデン」のハ・ジウォンの名前もありました。

 

朴槿恵政権が弾劾されずに、あのまま任期まで続いていたら、
映画「パラサイト」は製作されていなかったかもしれません。

数々の困難を乗り越えての、この笑顔なのですね。

 

おまけのオチ

偉業を成し遂げてきたミキー・リー氏には甥っ子がいます。
二人三脚でCJグループを築き上げた弟イ・ジェヒョン氏の長男です。

名前はあえて伏せますがこのS氏、2019年10月に麻薬密輸の罪で逮捕、起訴されました。

思い返せば、2019年は、財閥3世が相次いて麻薬で逮捕起訴された年でした

南陽乳業令嬢のミルク姫、CJグループ3世、SKグループ3世、現代グループ3世・・・

実は、この4年前の2015年、

麻薬に溺れた財閥3世と熱血刑事が繰り広げる
痛快アクション刑事映画「ベテラン」が、韓国で大ヒットしました。

財閥3世役は、ユアイン
イカれた財閥3世の演技は圧巻です。

そして「ベテラン」製作・配給はもちろんCJエンターテイメントです。

先見の明、やっぱりある!

ともあれ、韓国のエンタメ業界に莫大な投資をし、

その礎を築いた人々、すごいですよね。

未来を見据えて、「今」行動することの大切さを教えてもらいました!

CJ最高傑作の映画「パラサイト 半地下の家族」の視聴はこちら
↓↓↓

-韓国映画
-, , , , , , , , , , , , , , ,