韓国で1600万人を動員した大ヒット作「エクストリーム・ジョブ」。原題は「極限職業」。
観客動員数が歴代2位という、凄まじい記録を叩き出したにも関わらず、「好きな俳優出てないしなあ・・」と、さほど関心がなかったのですが、周囲があまりにも絶賛するので、ついに鑑賞しました。
結果、
「うわー、もっと早く見ておけばよかった!」と思わず後悔。
テンポのいい掛け合いに終始爆笑。
そして、見終わったら、「さあ〜、仕事がんばろっ!」と、やる気がむくむく湧いてくる、エネルギーの高い映画でした。
最近、やる気起きないわあ、という方は必見です!
エネルギーあるという方は、さらに、とてつもなく元気になります。
「エクストリーム・ジョブ」あらすじ
事件の解決実績が低く、解体の危機に瀕したコ班長(リュ・スンリョン)率いる麻薬捜査班。
成績は悪くても、チームワークだけは最高のコ班長と、部下であるチャン刑事、マ刑事、ヨンホ、ジェフン。ある時、コ班長は、麻薬を密売している国際犯罪組織の情報をつかみ、4人の部下たちと、班の存続をかけ、捜査に乗り出す。
24時間体制で張り込むために、コ班長は、犯罪組織の事務所前にあるフライドチキン店を買収。
ところが、潜入捜査のために開業したフライドチキン店が、意外にも大繁盛してしまい、コ班長も刑事たちも店の切り盛りで忙しく、捜査がついつい後回しに。
捜査のためにチキンを売るのか、チキンのために捜査をするのかー
どちらが本業なのか、各々のアイデンティティが揺らぎかけた時、麻薬捜査班に絶好の機会がやってくる・・・
「エクストリーム・ジョブ」ネタバレなし解説 韓国のソウルフード「フライドチキン」
5人の刑事が捜査のために始めた「フライドチキン店」。劇中では、カラッと揚がった美味しそうなフライドチキンが何度も登場します。
刑事映画なのか、フライドチキンの映画なのか、こんがらがるほど、チキンが頻繁に登場します。
映画を見ながら、「今度韓国行ったら、絶対チキン食べよう!」と、思う人もきっと多いはず。
韓国の鶏料理といえば、サムゲタンやタッカルビが知られていますが、韓国で圧倒的に食べられている鶏料理は、この「フライドチキン」。
韓国では、飲み会、デート、女子会、合コンなど、いろんな時に
フライドチキン店へ行き、ビールを飲みながらチキンを食べます。
また、テイクアウトしたり、デリバリーしたりして
お家で食べることもしばしば。
韓国内におけるフライドチキンの店舗数は、なんと約8万7000軒(2019年2月調査)。
8万?
ピンとこないです?
日本全国のセブンイレブンの店舗数は計2万988軒(19年12月調査)
ついでに、
ファミリーマートは1万6556軒(19年12月調査)
ローソンは1万4659軒(19年2月調査)
マクドナルドは2899軒(19年8月調査)
つまり、
日本中にあるセブン、ファミマ、ローソン、マックを足した数より、
さらに3万軒プラスした数のフライドチキン店が、韓国にはあるということです。
すごくないですか?
日本よりも国土小さいのに8万7000店舗。
驚異の数字です。
店ごとにオリジナル商品がありますが、
多くの人が注文するのは、定番メニューのフライドチキン(左)か、ピリ辛甘ダレをからめらヤンニョムチキン(右)
両方食べたい時は「バンバン(半々)」と注文すると、一皿に2種類が盛られて出てきます。
クリスピーフライドチキンなんていうのもあります。
こちらは、フライドチキンに甘醤油をからめたもの
このほか、
ガーリックチキン、チーズチキンなどもあり、店ごとに特色を出しながら、生き残こるために必死です。
なんてたって8万7000店もあるのですから。
映画で登場したのは「水原カルビチキン」は、「エクストリーム・ジョブ」撮影のために、映画制作会社が食品会社に依頼して、レシピ開発を行なったものだとか。
ちなみに、水原カルビとは、ニンニク、ネギ、梨、 ごま、醤油などで作ったタレに漬け込んだカルビのこと。大きな畜産市場がある水原(スウォン)市のご当地グルメ。
このタレを、揚げたてのフライドチキンにからめたら、美味しくないはずがありません。
本作品同様、料理のレビューが映画のレビューかわからなくなってきたので、
感想へ進みます。
ネタバレを含むので、ご注意ください。
「エクストリーム・ジョブ」感想(ネタバレあり)
麻薬、犯罪組織、密輸といった闇社会を扱いながらも、劇中、ヘビーなシーンは一切なく、冒頭の犯人捕獲失敗シーンから、クライマックスの犯罪組織一斉摘発まで、ずっと笑いっぱなし。
「娯楽映画」という言葉がぴったりの作品です。
主人公5人のダメダメぶりが、面白おかしいコメディなのに、
なぜゆえ、タイトルが「エクストリーム・ジョブ」?
と、疑問に思っていたところ、
最後の最後に、リュ・スンリョン扮するコ班長が見せてくれました。
これ以上ない、徹底的な仕事の取り組み方(エクストリーム・ジョブ)を。
「200パーセントくらいの本気度で仕事をする」って、
まさにこういうことだなあと、思わず感嘆。
しかも、それが本職の刑事としてではなく、
張り込みのために始めたフライドチキンの店長として、
だから、やっぱりコメディ。
でも、
目の前のどんなことも疎かにせず、熱を込めて取り組めば
形を変えて、必ず自分に返ってくるんだなあ、と
真理を見た気がしました。
めちゃくちゃ大笑いするのに、実は結構深い「エクストリーム・ジョブ」
おすすめです。