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「無垢なる証人」あらすじ
かつては民主弁護士会(※)のエースだったスノ(チョン・ウソン)。
しかし、病弱な父を抱え、さらに父の借金も返済しなければならず、一年前から、権力者を顧客に持つ大手弁護士事務所で、現実と妥協しながら働いている。
ある日、事務所の代表に呼ばれたスノは、1件の殺人事件を任されることに。同時に、代表から期待の証として、高級外車のキーと、高級スーツを手渡される。
自身の出世がかかった案件だと察知したスノは、この裁判で容疑者の無罪を勝ち取ることを決意した。
殺人事件の唯一の目撃者は、自閉症の少女、ジウ(キム・ヒャンギ)。
スノは、自閉症のジウを証人として法廷に立たせることで、証言に信ぴょう性がないことを立証しようと考える。
事件当日のことを聞くために、ジウに会いに行くスノ。しかし、自分の世界の中で生きているジウとの意思疎通は、一筋縄ではいかない。
そこでスノは毎日のようにジウのもとを訪ね、彼女との交流をはかった。ジウのことを、少しずつ理解しはじめるスノ。ジウもまた、少しずつスノに打ちとけていく。
そんな中、二人は証人と弁護士という立場で、法廷で向き合うことに・・・。
参考
※民主弁護士会とは
主に労働運動や社会運動などの事案を扱う人権弁護士の団体。実際に韓国に存在する。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領もかつて所属していた
「無垢なる証明」が10倍面白くなるエピソード
チョン・ウソンとキム・ヒャンギの意外な出会い
「無垢なる証明」で、息のぴったり合った演技をみせた二人。
制作発表会でチョン・ウソンは、27歳年下のキム・ヒャンギについて、
「純粋さと鋭さの両方を持った、素晴らしい女優」
と、褒めたかと思うと、キム・ヒャンギも
「ご自身の撮影が終わっても、帰らずに最後まで見守ってくれて心強かったです」
と、現場でのチョン・ウソンの優しい気遣いを披露していました。
実は、この二人、今回が二度目の共演!初共演は、2003年1月、キム・ヒャンギが2歳5ヶ月の時。
パリバケット(ベーカリーショップ)のCMで初めて顔を合わせました。これが初仕事だったキム・ヒャンギは、見知らぬ大人が大勢いる撮影現場で、泣いてばかりだったとか。
お母さんから離れようとしないので、監督が「別の子で撮影しよう」と指示を出したそうですが、チョン・ウソンが、2歳のキム・ヒャンギのところへ行き、「一緒に撮影しよう」と手を差し伸べたそう。
すると・・・・・
突然泣き止み、チョン・ウソンの手に引かれ、とことこカメラの前まで歩いて行き、この笑顔。
ジェントルマンとして知られているチョン・ウソンらしいエピソードですね。
にしても、キム・ヒャンギの透明感は、この頃のまんま!
学歴差別を受けたチョン・ウソンの切り返しが絶妙!
韓国で「無垢なる証人」が上映される直前、韓国の有名芸能記者が、「この映画は絶対大コケする!」と、自身のyoutubeチャンネルで断言し、話題になりました。
なぜ話題になったかというと、「中卒のチョン・ウソンが弁護士役を演じるなんて可笑しいだろ!」
と、学歴差別発言とも取れる理由で、酷評したからです。
これには、チョン・ウソンのファンのみならず、多くの人から非難の声が上がり、ちょっとした社会的イシューになりました。
でも、結果的には、その芸能記者の予想は大ハズレし、観客253万人動員と大ヒット。黒字興行でした!
さらに、韓国のアカデミー賞と呼ばれる「青龍映画賞」では、「パラサイト」のソン・ガンホ、「エクストリーム・ジョブ」のリュ・スンリョンをおさえ、「無垢なる証人」のチョン・ウソンが、最優秀主演男優賞に輝くという快挙も!
芸能記者が学歴を揶揄したことについて、チョン・ウソンの直接的な言及はありませんでしたが、「無垢なる証言」上映にあたってのインタビューで、こんなことを語っていました。
高校を中退した僕自身が、偏見を持たれる対象でした。
社会が求める条件にそぐわないんでしょうね。
でも、僕は、学校で教わることも大事だけど、
自分自身で大切なことにひとつずつ気づいていくことも、
それと同じくらい重要なことだと信じています。(スポーツ東亜のインタビューより)
「無垢なる証明」感想 (ネタバレなし)
というのも、チョン・ウソンは、家庭が貧しかったこともあり、高校1年で学校を中退したそうなんだ。学歴社会の韓国では、芸能人もほとんどが大学を卒業している中で、彼は完全なるマイノリティ(少数派)。
例の芸能記者が発言したような偏見に、常にさらされてきたそうじゃ。